120mm券で行く仙台~大阪の旅

2023年の2月末に大阪でライブがあったので一年ぶりの旅行をすることになりました。

もちろん仙台から大阪まで直行はしません。120mm券を片手に、乗りつぶしと観光がてら色々な場所に寄り道しながら大阪を目指しました。

 

写真の挿入が面倒だったためほぼ文字だけになりました

あとで気が向いたら入れるかも

 

1日目

旅の始まりは仙台駅…ではなく仙台港からです。まずは太平洋フェリーで名古屋を目指します。

今回の船は「きそ」。前回は「いしかり」に乗ったので「きそ」には初めて乗ります。

カジュアルクルーズを唄うだけあって船内はとても豪華。そしてデカい。大浴場や売店、ゲームコーナーまであります。

夜行フェリーは(ごろ寝の解放寝台を除き)宿泊施設と見なされるため、全国旅行支援が適用されます。さらに今回は愛知県と太平洋フェリー独自のキャンペーンも行われていたため、なんと3000円を払ったら2000円のクーポンと2000円相当の夕食バイキング券がもらえました。実質黒字!日の入りを眺めたりバイキングを堪能したり船内を散策したり大浴場に入ったり、船旅を大いに堪能しました。

 

2日目

優雅な船旅を終えて名古屋港へ到着。バスに乗り換えて名古屋の街中を目指します。あおなみ線は乗車済みのため、名古屋港駅まで行き地下鉄名港線に乗車。これにて金山駅までの(狭義)名港線を完乗。

上前津で下車し、大須から栄町までをブラブラすることに。途中立ち寄った矢場町矢場とん本店を偶然見かけるも、大行列だったため隣のテイクアウト店舗で弁当ととんかつ弁当と豚まんを購入。ここで旅行支援の2000円クーポンを使ったためほとんど現金を支払わずに買うことができました。

弁当を携え栄町から名駅へ向かい、次は名鉄犬山線に乗車。特急で終点の新鵜沼まで一気に駆け抜ける、かと思いきや終点の一駅手前の犬山遊園で下車。新鵜沼までは徒歩で移動することにしました。駅間を流れる木曽川は愛知県と岐阜県の県境になっています。川を跨ぐ犬山橋を渡り、徒歩での県境越えに成功しました。徒歩での県境越え、いい響きです。歩いた距離は1kmもありませんでしたが小さな達成感がありました。

新鵜沼に着いたら隣接するJRの鵜沼へ移動。ここからが今回のメイン、JRの乗車券を使った1600kmの旅のスタートです!鵜沼に着いたら即座に高山本線美濃太田行きに乗車…のはずがタッチの差で列車を逃してしまいました。幸先の悪いスタートですが、30分もしないうちに次の高山行きの列車が来たため美濃太田で散策する時間を失うだけの軽症で済みました。

美濃太田からは特急ひだ13号富山行きに乗車。当時の特急ひだにはキハ85系の便と後継車両のHC85系の便がありましたが、2023年の3月のダイヤ改正と同時に高山本線からキハ85系が引退することが決まっていたため、キハ85系で運行するひだ13号に乗ってみることにしたのでした。

キハ85とHC85の大きな違いは、前者は車両の最前(最後)列からの前面(後方)展望が楽しめることです。このとき列車は比較的空いており途中駅から最後列の席を確保することはできたのですが、窓の外の景色があまりにも良かったため後方展望のことなど忘れて外の景色に見入ってしまいました。

お昼に買った矢場とんの弁当(忘れてた)を食べつつ車窓を楽しんでいると列車はあっという間に高山に到着。今日の旅はここまでです。高山ラーメンがおいしかったです。

 

3日目

午前中は高山観光。ホテルの朝食バイキングで食べすぎたり高山陣屋を見学したり肉寿司を食べたりしていたら予定の時間をオーバーしてしまい、お昼過ぎに特急課金をして飛騨古川へ。昨日お別れとなったはずのキハ85と再会します。

古川でしばしの間まち歩きを楽しんだら、いよいよ特急で北陸は富山へ。これも当初と違う時間のひだに乗ったためキハ85とみたびの出会いとなりました。本当はHC85と乗り比べをしてみる予定でしたが、これはこれで三度も乗り納め(?)が出来たので良しとします。

富山に来た目的の一つが富山銘菓の「生富也萬(生とやまん)」です。富也萬はパイ生地に餡子が入ったお菓子なのですが、最近お店でしか買えない新発売の生バージョンが発売されたということで富山まで駆けつけたのでした。期待通りの美味しさで、これだけのためにまた富山に来てもいいと思うほどでした。

富山からは新幹線で金沢方面を目指します。特急から新幹線への乗り継ぎとなりますが、富山駅には乗継割引はありません。乗継割引は特急が通しで走っていた区間が新幹線が出来て分断されたことへの救済措置であるため、もともと新幹線完成時に名古屋・大阪から富山までしか走っていなかったひだは乗継割引の対象とならないのです。(昔はあった金沢行きのひだが新幹線開業時まで走っていたら対象となっていたかもしれません…)

富山から金沢を直接目指すことはせず、途中新高岡で降りることにしました。実はこの区間、富山~新高岡と新高岡~金沢で分けて特急券を買うと特急料金が110円安くなるのです。分けて買いさえすれば新高岡で降りる必要もないのですが、せっかくの機会なので新高岡で下車して周辺を見学しました。

金沢に着くとあいにくの雨だったため観光は諦めて駅構内を歩いているとゴーゴーカレー総本店を見つけました。ゴーゴーカレーは仙台にもあるのですが、総本店限定メニューののと豚カレーがあるとのことなので夕食はそれに決めました。しかしゴーゴーカレー初訪問だったためオリジナルのカレーとの違いは分かりませんでした。

夕食を終えたら特急サンダーバードに乗車し、この日の宿泊先敦賀へ。2024年の春に北陸新幹線が延伸すると終着駅になる予定の駅です。新幹線が延伸すると関西から金沢まで走っていた特急サンダーバード敦賀までの区間に短縮されるため、この日に乗った区間は乗り納めになりそうです。この日の自由席はほぼ全席が埋まっている盛況でしたが、これが新幹線に変わるとどうなるのか楽しみです。

 

4日目

実はこの日の夜に大阪でライブの予定があり今回の旅の実施を決めた理由もまさしくそのためなのですが、物販に並ぶ予定も無かったため夕方まで乗り鉄を存分に楽しむことにしました。

まずは敦賀から小浜線で東舞鶴まで乗車。ちょうど前年末に開業100周年を迎えたばかりの路線です。また北陸新幹線の大阪延伸は小浜ルートになると言われており今後がどうなるか楽しみです。

次に舞鶴線に乗り換え西舞鶴まで一駅乗車。西舞鶴まで直通の列車は一日一往復のみとなっており、ほとんどの場合乗換が強いられます。とはいえたいていの場合接続が取られており、今回もすんなりと次の列車に乗ることが出来ました。

西舞鶴からは京都丹後鉄道宮舞線に乗車。途中の由良川を渡る橋梁からの景色は格別でした。京都丹後鉄道はJR6社との通貨連絡運輸があるためJRの任意に駅を発着として間に京都丹後鉄道を挟んだ通しの切符を作ることができ、その前後のJRの区間の運賃は通算の営業キロで計算されます。さらに今回使用した乗車券はもちろん100kmを超えているため京都丹後鉄道内でも途中下車することが出来ます。このメリットを生かし宮津で途中下車し、駅前の富田屋さんで昼食をとりました。週末ということもあり正午前でもかなりの混雑でしたが、新鮮な日本海の幸をお手ごろな価格で堪能できるので非常におすすめです。

昼食の後は引き続き京都丹後鉄道の宮福線で福知山へ。実は宮舞線宮福線には以前にも乗ったことがあり残りの宮豊線のみ未履修なのですが、そちらに乗ると夜のライブに間に合わなくなるため今回もこちらの経路を選択しました。

宮豊線まわりを諦めたことで福知山発の特急こうのとりに乗ることができ、今夜のライブ会場のある大阪を一気に目指します。敦賀宮津と福知山~大阪はちょうどほぼ同じ距離なのですが、前者は3時間半かかったのに対し後者は1時間半しかかかりませんでした。やはり特急は速いです。

大阪に着いて空のコインロッカーを探して彷徨っているとあっという間にライブの開場1時間前に。一日乗車券を片手に少しだけ大阪メトロの乗りつぶしを進めるつもりが諦めて最短経路で乗り継ぎ、急いで会場のある中ふ頭を目指します。そのあとライブを存分に楽しみましたが、その話はまた別の機会に。

ライブの後は夜の難波を練り歩き、日が変わるころに今夜の宿のある大阪駅へ。しばらく11番線で待っているとやってきたのは……そう、サンライズ瀬戸・出雲です。東京と高松・出雲を結ぶ現在日本で唯一となった定期寝台列車に乗り、寝ている間に東京駅を目指します。

 

5日目

今回のサンライズの部屋は一番スタンダードなシングルの部屋の1階席でした。東京~大阪の区間をシングルで移動する場合、乗車券の運賃に加え特急料金3300円と寝台料金7700円で乗ることが出来ます。寝台料金は部屋によって異なり、シングルより少し狭いソロの場合は6600円に、一番豪華なシングルデラックスの場合は13980円になります。個室は新幹線よりも値は張りますが、交通費+宿泊費と考えれば高くはない値段です。また、個室ではないもののパーテーションで区切られた区画でごろ寝が出来るノビノビ座席だと寝台料金はかからず代わりに指定席料金530円を払うだけで乗ることができてとてもお得です。

他に夜に寝ながら移動する手段として夜行バスが挙げられますが、完全に横になることが出来るという寝台列車のメリットは、観光で長時間歩きライブでペンライトを振りながら叫んでクタクタになった自分にとってはとてつもなく大きなものでした。今回サンライズに乗るのは初めてでしたが、振動等も全く気にならずむしろ自分にとっては心地のいいものでぐっすり眠れたため、機会があったら今度はもっと長距離の区間を乗ってみたいと思いました。

東京駅に着いたら駅地下の六厘舎さんで朝食です。夜行バスやサンライズで朝東京に着いたときここで朝つけ麺を食べるのは絶対におすすめしたいです。朝からつけ麺なのかと思うかもしれませんが、朝つけ麺はあっさりめでマジでうまい(語彙力)ため普通に食べちゃいます。またそこそこの行列を並ぶことになるため朝東京に着いた後の暇になりがちな時間をつぶせるという副次的なメリット(?)もあります。朝食の後は東京ドームシティで開催されていた企画展に行ったのですが、その話もまた別の機会に。

お昼過ぎに東京を離脱して特急ひたちで上野から偕楽園へ。水戸駅の一つとなりの偕楽園駅は2~3月頃の梅まつりの時期の土休日だけ設定される臨時駅なのですが、なんと今年度から営業キロが設定されたため切符に初めて偕楽園の文字が載ることになりました(今までは東京方面からは水戸まで、水戸方面からは赤塚までの切符を買う必要がありました)。駅は大変混雑していたのですが、無効印をもらうことができ、そのまま次の水戸行きの列車に乗りました。

水戸からは水戸線で郡山へ。3時間強の長い普通列車だったのですが、意外にも18きっぷ期間でもないのに通し利用のお客さんが自分以外にも多数いて驚きました。自分が座った4人掛けのボックスシートの残り3席にも水戸を出てしばらくした駅から終点までずっとおばあ様方が乗っていて、最初は近距離利用かと思っていたので意外でした。

郡山に着いたらあとは東北本線を北上するだけ。いよいよ家のある仙台が目前に迫ってきました。ところが、迷った挙句新幹線代をケチることにして普通列車で福島に着くと強風のため仙台~福島の運休とのお知らせが。新幹線代はケチると決めたので大人しく1時間後の列車を待つことに。その分浮いたお金で凍み天を食べてゲーセンで時間をつぶしました。

そんなことがあり仙台に着くのが遅れましたが、20時ごろ無事仙台に到着!これにて長くもあっという間だった4泊5日の旅が終わりました。

 

最後に

使用した乗車券がこちらです。

 

たくさんの場所を回りたくさん下車印がもらえたので満足です。JRの乗車券は長距離であるほどキロ当たりの運賃が安くなるため、移動した距離の割にかなり安くなりました。乗車券は一筆書きであればどんな経路でもいいのでその制約さえ守れば自在に移動することができますし、18きっぷ等と違って特急券を課金するだけで特急や新幹線にも乗ることが出来ます。皆さんも長距離乗車券での旅、いかがでしょうか。